今回は「RBC2単位投与したら、Hbはどのくらいあがるのか?」についての
考え方を一緒にみていきたいと思います。

そんなこと分かるの?

分かるよ!
というか、ある程度の予測ができるよ。
それでは、一緒に学んでいきましょう!
✅動画で学びたい方はこちらをご覧ください↓
RBC(赤血球製剤)投与の目的は、ヘモグロビンの補充

どんな時にRBC(赤血球製剤)は投与されてる?

出血時や貧血がすすんだ時?

そうだね!
RBC投与の目的としては、Hb(ヘモグロビン)の補充です!
Hb(ヘモグロビン)は酸素を、全身臓器へ運ぶ役割があります。
Hbの量が少ないと臓器への酸素が足りなくなり、その状態が持続すると生命の維持が困難になってきます。
そのため、Hbが低いときにはRBCの投与が必要になります。
輸血の適応や管理について、もう少し詳しい知りたい方は以下記事をご覧ください↓
本題:「RBC2単位投与したら、Hbはどのくらいあがるのか?」

それでは!
本題の「RBC2単位投与したら、Hbはどのくらいあがるのか?」についてみていこう!

おなしゃす!!
予測上昇Hb(ヘモグロビン)値の計算式
それを考えるために、重要な計算式があります!
「予測上昇Hb値=投与Hb量÷循環血液量」
です。

うわー、きゅうに計算式ぶっこんできた。。

大丈夫!
できるだけ分かりやすく説明するよ。
さっきの計算式です。

「予測上昇Hb値」は「投与Hb量」と「循環血液量」が分かれば、簡単に導きだせるよ!

「投与Hb量」と「循環血液量」!?
「投与Hb量」とは?

まずは、「投与Hb量」についてみていくよ!

おなしゃすっ!!
➀RBC2単位は、400mlの献血からできています。
➁献血した血液から白血球を取り除き、遠心分離すればRBCが出来上がります。
➂健康な人の血液にはHbが15g/dl入っています。

この値は個人差があり、多少のばらつきがあります。ここでは計算しやすいように15g/dlで統一します!
④「100ml = 1dl」です!
➄つまり、100mlの中に15gのHbがはいっています。
➆健康な人の血液100mlの中に15gのHbが入っているため、RBC2単位(献血400ml分)の中のHbは「15g×4=60g」と計算できます。

つまり、「RBC2単位の投与Hb量=60g」になるんだよ!

ふむふむ!
循環血液量の求め方

つぎに「循環血液量」についてみていくよ!

おなしゃす!!
循環血液量の計算方法については所説ありますが、一番メジャーでシンプルで、なおかつ日本赤十字社のホームページにのっている計算式を紹介します!
✅日本赤十字社HP↓↓

循環血液量は、
「70ml×体重」で大まかなが予測できるんだよ!
例えば、体重が50kgだとすると
循環血液量は「70×50=3500ml」になります。

ここでの循環血液量の単位はdlなので、
循環血液量は35dlになります!
これで「投与するHb量」と「循環血液量」が出揃いました!
予測上昇Hb値を計算してみましょう!

では、「予測上昇Hb=投与Hb÷循環血液量」の式にあてはめてみよう!

これを計算してみると、
予測Hbは約1.7g/dlになります。

つまり、体重50kgの方にRBC2単位投与するとHbが約1.7g/dl上昇することが予測できると?

そういうことです!
どう活用する?
RBC投与後に予測した値の近似までHbが上がらなければ、身体のどこかで出血を起こしているかもしれません。

予測上昇Hb値を把握し、実際の採血結果と比べることで異常の早期発見につながるかもしれないよ!

なるほど、そういう活用ができるね!
忙しい日々の臨床の中で、毎回計算することは大変かもしれません。
✅日本赤十字社のホームページに自動計算や上記のような早見表が載ってますので、是非活用ください↓
臨床の参考になれば幸いです!
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