ちょっと聞いて下さい!
最近、嬉しいことに
「心外術後を受け持つことになったけど、オススメの本が知りたい」
「分かりやすい参考書を教えて下さい」
等々の質問をいただきます。
そこで!!
今回の記事では、
「心外術後を受け持ちはじめた看護師さん」にオススメの参考書を紹介していきます!
4冊のオススメの本を紹介します。
さっそくみていきましょう!
ICU3年目ナースのノート
ICUで働く看護師界隈ではとても有名な本なので、ご存じの方も多いと思います。
この本は心臓血管外科に特化したものではないんですが、ぶっちゃけ最初はこの一冊を持っていれば良いかと個人的には思います。
その理由としては、
- 主要な心外術後管理(CABG、弁置換術、胸部・腹部大動脈疾患のオペ)が書かれている
- 術後管理で必要な「フォレスター分類」「フランク・スターリング曲線」を学べる
- 心外術後管理に必要なIABP、PCPS、CHDFの管理ポイントが書かれている
- 「血ガス、心電図、循環器薬・鎮痛鎮静薬、輸血、カテーテル管理とモニタリング、胸部X線写真、体液量の評価、栄養管理」など心外術後管理に必要な項目が網羅的に学べる。
イラストもたくさんあり、分かりやすい表現で書かれているので理解しやすいです。
ただし、実際に心外術後管理の経験を重ねていくと次々と疑問が湧いてきます。
その際、私はこの本だけでは、疑問点の解決はできませんでした。
まあ、1冊の本で網羅できるものではないので、当たり前のことですが。。
✅私の体験談
ただ、以上を踏まえても、
「ICU3年目ナースのノート」は初学者にはオススメの本です!
以下の記事も参考にしてみて下さい!
ICUに配属が決まったら読みたい本 「ICU3年目ナースのノート」
やさしくわかる心臓血管外科
この本は、千葉西総合病院のスタッフの方々が書かれた本です。
心外病棟で働く看護師さんにオススメの本を聞かれたら、この一冊をオススメします!
オススメのポイントとしては、
- イラストや写真がふんだんに使われており、とても読みやすい。
- 心外特有の疾患の管理について網羅的に書かれています。
- 外来→入院→術前→手術→ICU→病棟→退院までの一連の流れと各期のポイントが分かる。
さらに本書は心外に特化した内容になっており、それぞれの術式について詳細に書かれています。
✔大動脈疾患なら基部・上行・弓部・胸腹部・腹部に対してのそれぞれの術式と手術の流れ、ポイントが書かれています。
✔末梢血管疾患では、F-Pバイパス、F-Fバイパス、Ax‐Fバイパスなどイメージしにくい術式を分かりやすくイラストで書かれています。
心臓リハビリの方法や注意点もたくさんの写真やイラストで書かれていて分かりやすいです。
ちなみに、補助循環(IABP・PCPS)の管理・ポイントも分かりやすく書かれています。
徹底ガイド心臓血管外科‐術後管理・ケア
この本は当ブログの心外関連の記事を書く際、高頻度で参考にさせてもらっている本です。
✅なんと言っても総論が充実しています!
✅また「小児の心外術後の管理」も術式別に記載されています。
✅動脈圧モニター(Aライン)、肺動脈圧モニター(スワンガンツ)の管理のポイントを、たくさんの図をつかって分かりやすく書かれています。
開心術の流れや術後の生体侵襲、モニタリングなど、基本的なところから学びたい方にはオススメの一冊です!
心臓外科手術の術式別ケア ビジュアルガイド
この本も、当ブログで心外関連の記事を書く際に、とても参考にしている本です。
各手術の流れとポイントが書かれており、文字だけで分かりにくい箇所はイラストで記載されています。
まさにビジュアルガイドです。
私はICUで働いている看護師なので、手術室の看護師のように実際の手術につきません。
オペレコを読んで情報収集しますが、文字だけでは正直よく分かりませんしイメージがつきません。
そんな時に私の理解を助けてくれたのが本書です!
オペレコを読む→本書で視覚化しながら学ぶ→当院の心外Drに不明点を確認する→当ブログにまとめる
という流れでブログを書いていきました。
最後に
今回は、個人的に分かりやすい順に参考書を紹介していきました。
これらの本を参考にしつつ、「なんとなく分かってきた」という感覚がでてくれば、各診療ガイドラインを読んでみて下さい!
治療の推奨クラスやエビデンスレベルが記載されており、知見が深まると思います。
ただし!!
いきなりガイドラインから入ると(文字が多い)、勉強が嫌になる可能性大なので、分かりやすい参考書で学ぶことをオススメします!
INTENSIVIST(インテンシヴィスト)
PS:今回紹介した本では物足りないと思う方へ以下の本がおすすめです。
INTESIVISTの心臓血管外科。前編と後編に分かれてます。
✅前編
「前編」は、体外循環・心筋保護などの心外手術の基本から、各術式の特徴・合併症・術後管理の注意点がまとめられています。
✅後編
「後編」は、術後の輸液管理・ペーシング・ドレーン管理・胸骨正中切開後の心肺蘇生、薬物の適応、慢性腎不全患者の周術期管理、リハビリ、術後合併症(LOS・不整脈・縦隔出血・縦隔炎・脳合併症・対麻痺・NOMI)、心臓血管外科周術期におけるACP(アドバンス・ケア・プランニング)等が書かれています。
前編も後編もとても勉強になる大満足の本です。
詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!
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